京都大学
概要

概要 #

研究データ管理(RDM)は何のために実施するのか #

研究データ管理(Research Data Management, RDM)が必要とされる理由には複数の背景があります。

  • 情報通信技術の発展に伴い、大量のデータが生み出され、ネットワーク上の利活用が進んでいる
  • オープンサイエンス等、研究成果をオープンにして学術研究を活性化する世界的な潮流
  • 学術論文の根拠となるデータ、およびその長期保存が求められる
研究者が日々生じる研究データを適切に管理することで、研究活動の継続性・効率性・公正性を高めることができます。日常的なデータ管理を足場として研究成果を公開・共有することで、さらなる学術研究の展開が期待されます。

次から、もう少し詳しくRDMの考え方について説明します。

研究データとは #

「研究データ」という言葉は様々な場面で使われますが、ここでは京都大学研究データ管理・公開ポリシーをはじめ、京都大学の規程等に沿って「研究公正」と「研究データ管理」の二つの文脈に整理して「研究データ」の考え方を紹介します。

研究公正の文脈では、研究データは 「発表された研究成果の根拠となる研究資料等」1を指します。
その一方で、研究データ管理の文脈では、研究データは 「本学の研究活動の過程で研究者によって収集または生成された情報を指し、デジタル・非デジタルを問わない。」2としています。
このように、研究公正と研究データ管理では「研究データ」として扱う範囲が異なります。研究公正における研究データは、研究データ管理で扱う研究データの一部であるといえます。

また、いずれの文脈においても、 「研究データをすべて公開しなければいけない」とはしていません。さらに、研究データは適切な管理が必要ですが、「適切な管理」とは 全ての研究データを永久に保管することでもありません。
公開するデータと非公開にするデータを区分し、それぞれに保管期間をさだめて適切に処理すること、そしてだれがその責任を負っているかを明確にすることが重要です。
研究データの扱い区分

  1. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件(PDF)
  2. 京都大学研究データ管理・公開ポリシー(解説・補足)

研究データ管理とは #

研究データ管理とは「ある研究プロジェクトにおいて使用された、あるいは生成された情報を、どのように組織化、構造化、保管、管理していくのか」を指す言葉です。具体的には、次のことを明確にして実践することを指します。

  • 研究データ管理計画(Data Management Plan: DMP)の策定
  • 研究中の日々の情報の取り扱い
  • 研究後の長期的なデータの取り扱い

近年は研究費を申請する際に研究データ管理計画の提出を求める研究助成団体が増えてきています。また、科学研究費助成事業では令和6(2024)年度以降、原則全種目において交付申請時にDMPの作成が求められます。
以下では研究データ管理に関する情報をまとめています。

研究公正 #

研究公正における研究データとは「発表した研究成果の根拠となる研究資料等(文書、数値データ、画像等)」であり、これは研究データ管理で扱う研究データの一部です。本学規程等では「適正な保存方法により一定期間(研究成果の発表後、原則10年以上)保存し、必要に応じて当該研究データを開示しなければならない」とされています。

公正な研究活動の推進
リンク先ページで特に下記の資料についてご参考にしてください。

  1. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程
  2. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件
  3. 研究データ保存パンフレット

適切な研究データ管理は研究公正にとっても必要な取り組みであるといえるでしょう。